題 名;  如何にして 楽しき日々を ・・・・・・。

 

山道を歩くと漱石の草枕を口籠りながら、色々な情景が浮かび上がります。 

“探す 歩く 考える” 芸術とか文学、 青年の時の感傷が甦ります。

北志賀高原林道を走ります。木島平村で車を降り、山道を登ります。 

白樺の森を過ぎればブナの原生林。

鬱蒼と梢は天を覆い 暗い隙間から差し込む光が地表に陽だまりを揺らす。

その地床に真っ白いギンリョウソウが群生。 透きとおるような鱗片葉が幽かに陽を屯す。

山道に腰を下ろし茎丈10cmくらいのギンリョウソウをファインダーからのぞく。できるだけ低い位置から

立体的な構図を狙う。

最適な角度でシャッターを切る。

 

ブナのの森を過ぎれば小さな沢でキヌガサソウに迎えられる。 高層湿原 カヤの平に到着です。

湿原に降りて木道に立つ。 可憐なツリフネソウやタテヤマリンドウが湿原の水面で風に揺れています。

 

カメラにマクロレンズとアングルファインダーを装着。

木道の下 湿原すれすれにカメラを固定してピントを合わせる。

下半身を不自然な形にしてファインダーを覗く。腰を曲げ膝を落としてレンズを調整していると

呼吸が苦しく、体も痛い。でも カメラの液晶モニターにきっちりとはまっておれば嬉しい。

 

写真は一合一会です。 私と同じく花を探している蝶やトンボたちの出会います。 彼らと楽しいひと時。

 

老人と海 老人と花。人に気遣うことなく大自然の下で自分だけの世界に浸る。 

単独行。 周りには誰も居ない。 自分だけの世界。

終われば滑らぬように気を付けながら下山。 車で林道を下って高速道路に入り帰宅の途に就く。

 

自宅に帰ればパソコンで写真の整理。削除に削除を繰り返し保存する作品を選択。

次に画像処理。 明度 彩度 コントラスト等暗室作業。

ホームページや写真サイト ブログにアップロード。

近頃はグループ展や個展に作品を出品しませんが、

特に気入った作品は大判プリンターでプリントして自室に展示。

 

傘寿が間近になれば体のあちこちが痛くなり、血糖値や血圧も高くなり、

どうしても老人性症候群に悩まされます。

でも カメラを手にして花々と一合一会を楽しみ、古寺巡礼を歩んでおれば 

そのうちに終着駅に無事到着するでしょう。